【コラム】居酒屋⑧ -審査のポイント(前編)-

今日は、融資を受けるときなどの審査のポイントについてです。

1 取引形態と条件

 販売形態は店内販売が大半で、不特定多数の一般消費者が販売対象である。現金取引が主で掛売はほとんど発生しない。

 食材・酒類については大半が現金決済であり、たとえば月末締め翌月何日払いといったかたちが一般的である。また、チェーン店の場合には共同仕入を行っているケースもみられるが、その場合でも支払条件は一般的に同様である。

2 資金需要

 資金需要としては、新規出店資金・店内改装資金等の設備資金が中心である。一方、現金収入商売であることから、若干の仕入資金以外の運転資金需要は発生しない。ただし、賞与資金や納税資金等季節的な運転資金受賞は発生する場合がある。

 新規出店などの設備資金については対象資産(土地、建物等)を担保として微求するが、出店コストの削減のため各社とも新規出店についてはテナント出店を基本とする傾向が強く、入居保証金は担保微求できたとしても保全効果は乏しい。

3 財務諸表の見方

 「TKC経営指標」によると、収益性指標としては売上高総利益率65.1%、売上高営業利益率2.4%程度が標準である。居酒屋はいわゆる「箱モノ商売」であり、出店に伴う設備投資(含入居保証金等)が資産の大半を占めている。安全性指標としては純資産比率34.8%・売掛債権回転期間4.1日等が標準とされ、成長性は業界として

は縮小傾向にある。平成24年の黒字企業の平均売上高や利益額、黒字企業数は増加している。23年は東日本大震災の影響を大きく受けて業績悪化企業が増加していたため単純比較はむずかしいが、ボトムの状態からは脱却しつつあるものと考えられる(図表5参照)。

 新規出店や店舗改装等の設備投資を行う場合、外部調達(借入れやリース)への依存度が高い企業では負債増加により債務バランスが悪化することから、収支計画以外にも投資額が

資産規模や純資産に比べ過大ではないか、また多店舗化を進めるなかで店舗オペレーションや計数管理(店舗別損益の把握)等のマネジメント能力が十分備わっているかどうかの確認も必要である。

 

 図5 酒場・ビヤホールの経営指標(黒字企業平均) (単位:千円、%)


次回に続きます。