【コラム】職場でありがちなトラブル事例①

育休者にパート転換強要 代替要員を正社員登用

 正社員が育児休業を申請したので、当面の策として、会社はパートによる補充で対応しました。ところが、「穴埋め」のはずのパートの方が、テキパキと仕事をこなしていきます。

 スポーツ等では、ケガをきっかけとして、レギュラーの座が入れ替わるのは、よくある話です。

 しかし、労務管理の世界では、法律による制限を受けます。会社の思惑どおり、自由な身分の入替えが認められるわけではありません。「パートへの転換」を強要された女性従業員が、正社員の地位を取り戻すため、都道府県労働局長の助言・指導を求めた事案です。

 

従業員の言い分

 私は、本社の事務部門で正社員として採用されましたが、産後休業の後で、半年間の育児休業を取得しました。

 しかし、復職の直前に、人事部長から呼出しを受け、パートへの身分転換を言い渡されました。表面上の理由は「経営不振による支店の統廃合と、経営合理化による事務部門の縮小」です。

 もっともらしい説明ですが、私のパート転換と同日付で「後任者のパートが正社員に抜擢」されています。このような不当な人事は到底納得できず、正社員としての原職復帰を要求します。

 

事業主の言い分

 今回、事務部門を縮小し、人員枠を8人から5人に変更しました。新体制の下では、育休復帰者の方にはパート相当の仕事を担当してもらうほか仕方がない状況です。

 後任者のパート社員については、専攻が情報管理システムだったため、個人の能力を評価して正社員登用を決定したものです。

 

◆指導・助言の内容

「正社員からパートへの身分転換は、本人の同意なく実施できない」、「人員減が必要といいながら、並行して正社員登用を行ったのは妥当な対応といえない」等の事情を説明したうえで、事業主に対して「原職相当職復帰」に向けた努力を要請しました。

◆結果

 両当事者間で話し合った結果、育休から復帰した女性従業員を「正社員として技能部署に配転する」という方向で合意が得られました。


適材適所、と簡単には言えますが、実際の職場では簡単に行えませんし、

本人の気持ちを考えると、妥当な結果かなと思います。

自分の能力の評価が、雇用主の評価と一致するかは難しいですが、大切ですね。